STORY 01
たくさんの商品にふれながら
「店に並べるべきもの」を決める。
それがバイヤーの仕事です。
私の場合は家庭用品や収納用品が主な担当部門なんですけど、その範囲内で「これは」というものをみつけてきたり、メーカーさんから紹介してもらったり。そうやって出会えたたくさんの商品を前にして「店に並べる・並べない」をひとつずつ決めていきます。判断の基準はまず価格。ある程度上限を決めて、その中に収まるのかどうか。次に見た目。色や柄ですね。目立たせることも大事なんですけど、浮きすぎず、ナフコという店の売場に馴染むかどうか。あとは他の市場での売れ行きなんかも気にするポイントです。この部署には現在30名弱のバイヤーがいますが、その一人ひとりが一定の予算を持たされていて、その中での判断であれば、ある程度のことは任せてもらえてますね。
STORY 02
時には失敗に終わる商品も。
カンを養うコツは
現場の空気を吸いに行くこと。
5年ほど前のこと。目を付けたのはある室内用の物干し。木目調で、落ち着いた色味が雰囲気あって。これは新しいデザインだなって思って仕入れたんですけど、結果はカラ振り。いま思えば、小ぶりなサイズで干せる量が少なく、その割にややお高めな価格設定だったのが原因でした。10年以上やってるお仕事ですから、正直カンを頼りにすることもありますが、失敗もそれなりにあります。「売れる・売れない」の感覚は店舗の方のほうが鋭いんじゃないでしょうか。キャリアの長い販売員さんだと私なんかより断然詳しかったりしますからね。だから時々店舗を訪れてはみんなの意見を聞いてみたり、実験的に商品を置いてもらったりして、現場の感覚を忘れないようにするんです。
STORY 03
「売れる」を生み出すって
難しくって、おもしろい。
PB(プライベートブランド)商品の開発。
最近の例を挙げるとしたらタオル。バスタオルやフェイスタオルといった一連のシリーズがあるんですが、「こういう価格」「こういう色柄」と大まかな方針を立てて、一通りの仕様を決めて。外部のデザイナーさんやメーカーさんたちと一緒になって、素材、厚さ、色、柄・・と全部決めて作りました。提案されることもあるんですが、ポイントは「こういうものが作りたい」というこちら側の意思を示すことです。もちろん独りよがりになってはいけませんから、競合はもちろん、百貨店から100均まで、似た商材を扱っているところの情報は常に仕入れるようにしています。自分が作った商品が売れる、これがやっぱりこのお仕事で一番うれしいことじゃないでしょうか。